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あじフライ

2017年06月02日(金)

 新緑の季節が過ぎ、強い日差しの日が続いていましたが、東京では5月の下旬から雨が多くなりました。まもなく「梅雨(つゆ)」の季節ですね。この時期は、アジやイワシなどの青魚が旬を迎えます。これらの魚は、お魚屋さんに一年中並んでいますが、特にこの時期のものがおいしく、「梅雨アジ」「梅雨イワシ」などと呼ばれています。

 中でもアジは、その語源が「味がいいから」という説もあるくらいで、「刺身」や「たたき」、味噌と合わせて包丁でたたいた「なめろう」など、いろいろな料理があります。生で楽しむ以外にも、塩焼きにしてよし、煮付けてもよし、一夜干し(干物)にしても美味しい大衆魚です。

 今日はあじフライについてお話しします。

 大ぶりのアジを背開きにして、少し塩をふって冷蔵庫で30分くらい寝かせます。そうすると身から余分な水分とともに特有の臭みが抜けていきます。その後、衣をつけて高温でさっとフライにします。衣のサクサク感と、ふっくらとした身の旨味がとても美味しい一品です。

 ところで、「あじフライ」は和食でしょうか?それとも洋食でしょうか?ここは皆さんの間でも少々議論の分かれるところですね。「フライ料理」はそもそも洋食です(衣にパン粉を使います)。でも、とんかつは同じパン粉で揚げても、和食だと思う人が大多数でしょう。「フライ料理」は明治初期に日本に洋食として入ってきましたが、100年以上の年月をかけてすっかり「和食」化してきました。

 あじフライは、ソースやタルタルソースをかけて食べる人が多いようです。私のおすすめは、「醤油と和辛子」で食べる方法。衣のサクサクとした食感を楽しみながら、ふっくらとしたアジの身に醤油がしみてうま味がまし、アジ本来の美味しさが際立ってきます。あじフライを醤油で食べると、「やっぱりあじフライは和食だな」と実感できると思います。ぜひ一度試してください。

たけのこ尽くし

2017年04月26日(水)

 4月になり、新年度が始まりました。本校でも、2年生となった先輩が新入生を心尽くしの手料理で「おもてなし」して、授業がスタートしました。

 桜の季節が終わった途端、お店にはもう「たけのこ」が並んでいます。たけのこは竹かんむりに「旬」という字を書きます。その名の通り「竹の旬」をいただく食材です。「旬」とは「食材の一番おいしい時期」という意味ですが、暦では「上旬」「中旬」のようにだいたい10日間くらいをさします。すなわち、たけのこの旬はまさに「10日間」の命だということでしょうか。驚くべきことに、竹は実は「イネ科」の植物です。なるほど日本や中国南部のように「米文化圏」になじみの深い食材なはずですね。

 たけのこは食物繊維や疲労回復に役立つ成分などが豊富に含まれており、とても体に良い食材の一つです。また、日本料理の基本である『五法』=「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」そして「切る(生)」のすべての調理法で美味しくいただける、数少ない食材の一つです。たけのこを生で食べるというのは、あまり知られていませんが、名産地である京都では、朝掘りの柔らかくみずみずしいたけのこをお刺身で楽しむこともできます。(写真を見てください)

 私のおすすめは、やはり「炭火焼」です。外側の皮をむかずに、そのまま炭火で真っ黒になるまで焼き上げると、中は「蒸し焼き」状態となります。すこし塩をふって食べると、峻烈な初夏の香りと甘み、そしてたけのこ独特の「シャクッ」という食感が際立ち、とても美味しいと思います。それ以外にも、炊き込みご飯、わかめと合わせた「若竹煮」、かつお節をたっぷり使った「土佐煮」、たけのこの天ぷら、そしてたけのこの味噌汁など、いろいろな調理法が楽しめます。皆さんもぜひ、この季節の旬の食材の代表であるたけのこを使って、「たけのこ尽くし」を楽しんでみてください。


恵方巻きの話

2017年02月01日(水)

 今回も、暦のお話です。

 春の節分に、その年の縁起の良い方角を向いて巻き寿司を食べる「恵方巻き」は、私の記憶では10年前くらいから、だんだん知られるようになってきた気がします。その由来には諸説ありますが、どうやら関西が発祥のようです。昭和7年に「大阪鮓商組合」がお寿司の販売促進のため「幸運の巻き寿司」の宣伝を始めたのが、いまの恵方巻きの始まりだといわれています。

 節分といえば「豆まき」を思い浮かべますが、そもそも節分とはどういう日なのでしょうか。

 日本には四季があります。旧暦で一年を24種類の季節を表す「二十四節気」では、季節ごとの始まりの日を「立春」「立夏」「立秋」「立冬」といい、その前日を「季節の替わり目=節分(季かれ目)」といいます。今年の場合は2月4日が立春ですから、その前日の2月3日が節分というわけです。つまり、旧暦では2月4日が「春の始まり=お正月」となり、その前日の節分が大晦日ということですね。そのため、春の節分には古くから旧暦の年末年始を祝うさまざまな行事が行われており、豆まき(追儺式)などもその一つです。

 節分は季節の分かれ目なので、1年に4回あります。そのため、某有名コンビニが「夏の恵方巻き」や「秋の恵方巻き」など、それぞれの季節ごとに恵方巻きを考案して売り出そうとしたこともあるそうです。そう思うと、最近の恵方巻きブームは、日本の伝統行事というより「バレンタインデーのチョコレート」のようにお店の企画に乗せられている感じもありますね。

 ちなみに、今年の恵方は「北北西」だそうです。恵方巻きの具材は、七福神にあやかって7種類詰めるのがよいとされています。恵方巻きを信じる人は、ぜひ節分の夜に7種類の具材が入った恵方巻きを、北北西を向いて無言で黙々と1本食べきってみてください!


お正月の話

2017年01月06日(金)

 皆様、新年あけましておめでとうございます。楽しいお正月を過ごされましたか?

 普段は日本の文化や歴史にあまり興味がない人たちも、お正月には日本特有のさまざまな伝統行事や習慣を思い出しますね。そもそもお正月のお祝いとは、新しい年に「歳神様(としがみさま)」を家々にお迎えするお祝いです。年末に大掃除で家の中を清め、「鏡餅(かがみもち)」や「注連縄(しめなわ)」などの準備をします。家々の玄関には、歳神様が家に来る目印として「門松(かどまつ)」を飾ります。


 新年が明け、無事に歳神様をお迎えしたら、邪気を清めるために「お屠蘇(おとそ)」をいただきます。そして、地域の特性を活かし、縁起を担ぐさまざまな食材でつくられた「お節(おせち)」料理や「お雑煮(おぞうに)」をいただきながら、家族で新しい年をお祝いするのが、日本のお正月です。ほかにも「初詣(はつもうで)」「お年玉(おとしだま)」「初日の出(はつひので)」「書き初め(かきぞめ)」など、お正月には数々の伝統行事があります。

 では、いったいいつまで「あけましておめでとうございます」という挨拶をするのでしょうか?

 お正月に歳神様がいる期間を「松の内」といい、ここまでがお正月のお祝いです。関東では1月7日まで、関西では1月15日までと異なりますが、この日が過ぎたら正月飾りを外し、おめでとうのあいさつも終わりになります。遅れてきた年賀状の返事も、この日を境に「寒中お見舞い」となりますね。

 アジアの他の国々にも、お正月を祝うさまざまな伝統文化があります。でも、日本以外の各国では、中国や台湾の「春節」、韓国の「ソルラル」、ベトナムの「テト」など、新暦よりも旧暦のお正月を盛大にお祝いするようです。旧暦のお正月は二十四節気の「立春」。まさに「初春(はつはる)」のお祝いなのですね。


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