お正月の話

2017年01月06日(金)

 皆様、新年あけましておめでとうございます。楽しいお正月を過ごされましたか?

 普段は日本の文化や歴史にあまり興味がない人たちも、お正月には日本特有のさまざまな伝統行事や習慣を思い出しますね。そもそもお正月のお祝いとは、新しい年に「歳神様(としがみさま)」を家々にお迎えするお祝いです。年末に大掃除で家の中を清め、「鏡餅(かがみもち)」や「注連縄(しめなわ)」などの準備をします。家々の玄関には、歳神様が家に来る目印として「門松(かどまつ)」を飾ります。


 新年が明け、無事に歳神様をお迎えしたら、邪気を清めるために「お屠蘇(おとそ)」をいただきます。そして、地域の特性を活かし、縁起を担ぐさまざまな食材でつくられた「お節(おせち)」料理や「お雑煮(おぞうに)」をいただきながら、家族で新しい年をお祝いするのが、日本のお正月です。ほかにも「初詣(はつもうで)」「お年玉(おとしだま)」「初日の出(はつひので)」「書き初め(かきぞめ)」など、お正月には数々の伝統行事があります。

 では、いったいいつまで「あけましておめでとうございます」という挨拶をするのでしょうか?

 お正月に歳神様がいる期間を「松の内」といい、ここまでがお正月のお祝いです。関東では1月7日まで、関西では1月15日までと異なりますが、この日が過ぎたら正月飾りを外し、おめでとうのあいさつも終わりになります。遅れてきた年賀状の返事も、この日を境に「寒中お見舞い」となりますね。

 アジアの他の国々にも、お正月を祝うさまざまな伝統文化があります。でも、日本以外の各国では、中国や台湾の「春節」、韓国の「ソルラル」、ベトナムの「テト」など、新暦よりも旧暦のお正月を盛大にお祝いするようです。旧暦のお正月は二十四節気の「立春」。まさに「初春(はつはる)」のお祝いなのですね。


和食の定義

2016年12月08日(木)

 11月24日が「和食の日」というのをご存知ですか。

 和食文化がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことを受けて、「いいにほんょく」のゴロ合わせから、この日が「和食の日」に制定されました。今年のこの日に、本学も会員である「一般社団法人 和食文化国民会議」が和食の定義を発表しました。(この文の最後に掲載してあります)

 この「和食の定義」は、なんとなく読むと当たり前のことが書かれていますが、少し深読みすると、和食に関するいろいろなことがわかってきます。

 まず、一番大きなことは「米飯を主食とし、汁といろいろなおかずを箸で食べるものを和食の基本とする」ということです。つまり、ハンバーグ定食や麻婆豆腐定食も「和食」だということを意味しています。また、ご飯とおかずを一緒に食べるどんぶり物や、カレーライス・オムライスも和食と考えることができます。

 また、「だしの旨味と伝統的な調味料と使った粉食(小麦粉でできたもの)」も和食とされています。すなわち、そば・うどんはもとより、お好み焼きやたこ焼きも立派な和食だということです。それ以上に「鶏がら」や「とんこつ」などの、だしと醤油・味噌・塩という伝統調味料で味付けされたスープに、小麦でできた麺をいれる「ラーメン」も和食の仲間だということになります。

 このように、今回発表された「和食の定義」によると、いままでグレーゾーンであった料理が多数、「和食」の一つだとして認められました。和食の範囲がとても広く、皆さんの中には、何かしっくりこないと感じる人もいるかと思います。和食とは、いろいろな食文化を日本流に「和」することができる「食」ということだと思います。

 今回の定義で一番大切なことは、いろいろな料理を「和食」かどうか選別することではありません。最後の3行に書かれている「日本の食材を使い」「四季折々の季節感を大切にし」「自然の恵みに感謝する」食事であるということだと思います。

 これからも、自然の恵みに感謝して、おいしい和食を楽しんでください。


そばとうどんの話

2016年10月12日(水)

 10月は新そばの季節。新米同様、秋に収穫最盛期を迎えるそばの実を使い、薫り高いそばが楽しみです。

 皆さんは「たぬきそば」というと、どういうそばを思い出しますか?

 東京生まれの私にとって「たぬきそば」とは、天かす(天ぷらを揚げたときにできる揚げ玉)をのせたそばをすぐ思い浮かべますが、大阪の人にとって「たぬきそば」とは、甘辛く煮た油揚げをのせたそばのことだそうです。「それって、キツネそばじゃないの?」と思わず突っ込みを入れたくなりますね。大阪で「キツネ」といったら、油揚げをのせた「うどん」のことで、同じ具でそばにすれば「たぬきそば」になるようです。

 「たぬき」の名前の由来は、関東では天ぷらそばやうどんの種(具)を抜いた=たね抜き=たぬき、になったというのが一般的で、うどんもそばもどちらもあります。しかし、うどん文化圏である関西では「キツネ」といったら油揚げを入れたうどんのことで、「たぬき」といったら同じ油揚げがのったそばのことだそうです。キツネはうどんに決まっていて、うどんがそばに「化けた」のが「たぬき」だということらしいです。

 欲張りな私は、キツネもたぬきも両方大好きで、油揚げ(キツネ)と天かす(たぬき)の両方の具が入ったそばをよく注文します。お店によって「ムジナそば」とか「化かし合いそば」などと呼ばれています。

秋の新そばの季節、そば屋でこのメニューがあったら、ぜひ一度食べてみてください。


納豆に卵を入れる派?入れない派?

2016年09月08日(木)

 皆さんは納豆には生卵を入れる派ですか?それとも入れない派ですか?

 ある統計によると、納豆を食べる人のうち約6割が生卵を入れて食べるようです。それ以外にも、好みによっていろいろな食品と一緒に食べられています。本校の学生たちに聞いてみたところ、定番のネギやカラシ以外にも、ミョウガやキムチ、なめ茸やオクラなどを加えるという意見や、海苔の佃煮とよく合うという声もありました。味付けも様々で、市販品についてくる醤油出汁と和辛子以外に、砂糖を加えたり、酢を混ぜたり、あるいはマヨネーズで味付けをしてトーストに乗せたりという意見もありました。いろいろな食べ方があるということは、それだけ日本の家庭食品として定着しているということだと思います。

 糸引き納豆は、特に朝食には欠かせない食品の一つです。歴史は古く、平安時代の文献にすでに納豆の文字が見られます。肉を食べる習慣がなく魚が高価だった江戸時代には、庶民の貴重なたんばく源でした。発酵食品である納豆には、腸内環境を改善する効果に加え、血液が固まるのを防ぐ成分も含まれており、和食の誇る健康食品の代表選手です。でも外国人にとっては、あのネバネバ感と独特のにおいが受け入れられず、常に「苦手な日本食」の第1位に上げられてしまいます。反対に考えれば、「納豆が好き」な外国人は、相当日本通ということでしょうか?国内でも関西地方では苦手な人も多く、どちらかというと関東から東北の郷土食という印象が強いようです。

 私のお奨めの食べ方は、魚介と野菜と卵黄をミックスします。鯛やマグロ、イカなどのお魚と、キュウリやタクアン漬、山芋など食感がある野菜を同じ大きさの角切にし、納豆と卵黄(黄味だけ)と少量の醤油で混ぜて、焼き海苔で包んで食べます。そうすると、納豆やお魚の旨味と野菜の食感、そして焼き海苔の香りが加わり、何倍にも美味しくなります。この料理は、地方によって「五色納豆」とか「バクダン」などと呼ばれているようです。ぜひ一度試してみてください。

Copyright ©東京すし和食調理専門学校 All Rights Reserved.