うなぎのかば焼き

2016年07月24日(日)

7月30日は「土用の丑の日」。そもそも「土用」とは、春夏秋冬の季節の変わり目の18日間のことで、特に夏の「土用」のうち、旧暦の十二支で「丑」にあたる日を「土用の丑の日」といいます。18日間と十二支の巡りあわせなので、年によっては「土用の丑の日」が2回あることも。「土用の丑の日」が「鰻のかば焼き」を食べる日になったのは、江戸時代の学者、平賀源内がうなぎ屋さんに頼まれて、「土用の丑の日は、夏バテ防止に鰻を食べよう!」というキャッチコピーを作ったからだそうで、特別な行事食ではないようです。

「うなぎのかば焼き」は、関東風(江戸風)と関西風(上方風)では大きな違いがあるのをご存知ですか?まずはうなぎのさばき方が違います。関西ではお腹に包丁を入れる「腹開き」ですが、関東では背中から包丁を入れる「背開き」です。普通魚は腹からさばくのが一般的ですが、江戸は武士の町。侍は「はらきり(切腹)」を嫌い、より難しい「背開き」になったようです。また、調理の仕方にも違いがあります。関西はさばいたうなぎをそのまま焼きますが、関東はいったん蒸してから焼きます。この違いの理由は諸説ありますが、関東のうなぎが大ぶりだった、あるいは泥臭かった、という説が有力です。ちなみに、関東風と関西風の境界は愛知県と静岡県の間のようです。

皮目がパリッとした関西風も美味しいですが、私はやはりふんわりと柔らかい関東風が好みです。各店が代々継ぎ足しながら使っている「秘伝のたれ」を、白飯にたっぷりとしみこんだ「うな重」のふたを開け、山椒の粉末をたっぷりとかけて食べると、思わず笑顔になりますね。最近では天然うなぎが高級食材になってしまいましたが、国産であれば養殖でもとても美味しいうなぎも増えています。

土用の丑の日には、奮発して「うなぎ」食べて、暑い夏を乗り切りましょう!

「ラーメン」って、和食?

2016年07月01日(金)

皆さんは、ラーメンは和食だと思いますか?
本校の学生の間でも、意見が大きく分かれました。「ラーメンはもともと中国から来た料理だから、和食じゃない」というのが多くの日本人学生の意見。反対に、留学生たちは「もちろん和食でしょ!」と譲りません。

和食の定義は諸説あり、正解があるわけではありませんが、私は「ラーメンは立派な和食」だと考えています。

確かにラーメンは中国の「拉麺=引っ張る麺」が起源の料理で、江戸時代の初めに日本に紹介されました。(日本で初めてラーメンを食べたのは、徳川光圀だと言われています)。その時のラーメンは、きっと中華料理だったことでしょう。それから350年の後、ラーメンは日本国内で大きく変化・発展しました。特に和食の基本である「出汁」に工夫が凝らされ、味噌味や塩味、豚骨醤油など、さまざまな種類のラーメンが生み出されました。これらの味は、中華料理には存在しない、日本人の発明です。更には日本の食品メーカーが「インスタントラーメン」まで発明し、今では世界中の人が日本発信の「ラーメン」に夢中になっています。

このように、海外から入ってきた料理を自国の食文化に取り入れ、進化発展させることができるのも、和食文化の大きな特徴です。他にも「カレーライス」や「スパゲティナポリタン」「オムライス」などはみな日本で独自に発展・進化した料理です。和食は、日本人の知恵と食に対する好奇心で、いろいろな料理を自国の食文化に「和する」食なのですね。

ところで、あなたのラーメンの好みは、味噌?醤油?それとも豚骨ですか?


http://isao-japan.blog.so-net.ne.jp/2015-06-15 より引用

みそ汁

2016年06月01日(水)

和の食卓に欠かすことのできない「みそ汁」。その起源は鎌倉時代といわれています。みそ汁の基本食材である「みそ」は、日本の誇る発酵食品の一つ。たんぱく質の豊富な大豆が発酵する過程でできる、人間に必要な必須アミノ酸のすべてと、いろいろなミネラル成分を含んでいます。その上、酵母そのものを食べることで、ヨーグルトと同じように整腸作用が働き、美容と健康にとても良い食品です。

私の好みは「大根おろしとなめこ」のみそ汁。すっきりした白みそと、やや辛口の赤みそを合わせて、荒目にすりおろした大根おろしになめこを加えて香りをたたせます。大根おろしのさっぱり感となめこの食感が交互に舌を楽しませ、飲みこむとおなかがじわっと暖まり、鼻からは美味しいかつお出汁の香りが抜けていく。まさに至福の一杯です。

みそ汁の種類は、使うみそやその具材で無限に広がります。また、日本の津々浦々によっても、いろいろな楽しみ方がありますね。現代の人気のみそ汁は一位が豆腐、二位がわかめ、三位がねぎとなっているそうですが、江戸の人たちが毎朝飲んでいたのは「納豆汁」でした。納豆を少しすりつぶし、小松菜や豆腐とともにみそ汁の具にします。豆腐も納豆も、そしてみそもすべて大豆から作られます。江戸の人たちは禁止されている肉食や高価な魚の代わりに、この「納豆汁」で上手にタンパク質を補給していたようです。

みそ汁は、現代医学の研究で、整腸作用によるアトピー症状の改善やがん予防、さらには美肌効果まで報告されています。カロリーも同量のポタージュスープに比べて半分以下で、塩分量も決して多くありません。和食の基本である「一汁三菜」に欠くことのできないみそ汁。皆さん、今日からでもぜひ楽しんでください。

お漬物

2016年05月02日(月)

子どもの頃、我が家の朝食には白いごはんとお味噌汁、そこに必ず漬物が添えられていました。
中でも私の好物は白菜漬け。冬の朝、湯気ののぼる炊き立てのご飯に、少し醤油をつけた白菜の漬物をのせ、のり巻きのようにご飯を巻いて食べます。塩味と醤油の香り、そして「シャクッ」とした触感で、ゆっくりと体が目覚めていく。私の思い出の朝ごはんです。
この漬物、現代ではやや影をひそめ「代表的なごはんのお供」という座も失いつつありますが、実は和食の知恵が詰まった逸品です。今回は、このお漬物について紹介しましょう。

 まず、日本の代表的なお漬物といえば、野菜などの農産物を塩漬けにしたもの。まだ冷蔵庫のない時代、夏に採れた野菜を漬け込んでおき、冬に食して野菜不足をおぎなうという生活の知恵です。この塩漬け、古くは飛鳥時代から行われていたという記録があります。塩漬けには、素材の味や色、光沢などをいかしたまま長期間保存ができるという利点があり、広く、長く親しまれていったのでしょう。そこから、酒粕や味噌、醤油を使うなど、素材に合わせた味の工夫へと発展していきました。

そして、江戸時代に入るとぬか漬けが誕生。ぬか漬けとは精米したときにできる「米ぬか」を塩と水で練ってつくった「ぬか床」に野菜などを漬け込んだ物です。味も香りも、ともに優れていると同時に、このぬか床は一度つくると何度も繰り返し使えるという便利モノ。塩漬けを上回る人気となりました。

 実はこのぬか漬けこそ世界に誇れる発酵食品のひとつ。最近でも秘かに注目を集めています。ぬか床では「乳酸菌」や「酵母」など、さまざまな微生物が活動して栄養価の高い成分を作り出し、中に漬けた野菜を「スーパー健康食品」に変えてくれるのです。和食の偉大なる知恵の産物といえるでしょう。ただし、毎日手を入れて管理しなければならず、現代の家庭では敬遠されつつあります。今は完成されたものがお店でいつでも購入できる時代。ついつい“便利さ”を優先しがちですよね。

でも、和食の世界を志す皆さんには、手間を惜しまず、このぬか漬けづくりもぜひ体験して欲しいと思います。学校では、ぬか漬けの保存ができる「蔵」を作りました。ここで、漬物や味噌などを自分たちで仕込み、その生成過程をきちんと学習する中で、先人からの和食の知恵を実感してください。

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