おでんの話

2017年11月14日(火)


 季節も秋から冬に変わってきました。日毎に朝晩の気温が下がり、温かいものがほしくなる季節です。こんな夜はアツアツの「おでん」などが恋しくなりますね。

 一般的に「おでん」というと、出汁に大根や練り物などをいれたものをイメージします。最近ではコンビニのレジ近くに必ずおいてあり、人気商品の一つです。出汁のなかに美味しそうなおでん種が湯気とともに泳ぎ、食欲をそそります。でも、本来のおでんは、全く違った食べ物でした。

 そもそもおでんとは、豆腐やこんにゃくなどを串で刺して焼き、甘めの味噌などを塗り上げた「焼き田楽(やきでんがく)」という料理がルーツで、室町時代に考案されたといわれています。その後江戸時代に串に刺したものを鍋で煮た「煮こみ田楽(にこみでんがく)」が考案され、現在のおでんのルーツになりました。現在では煮こみ田楽を「おでん」、焼き田楽を「田楽」と区別して呼んでいるようです。特に煮こみ田楽は江戸で生まれたため、関西では「関東だき(かんとだき)」などと呼ばれています。(「煮る」という言葉は、関西では「たく」といいます)

 そのように、江戸で生まれた「おでん」ですが、おでん種は日本各地でいろいろと特徴があります。たとえば、関西では鯨の皮(ころ)や舌(さえずり)が定番。福岡では牛筋肉の串が欠かせません。また、沖縄では豚足(とんそく=ブタの足)がおでんの味の決め手になっています。
 郷土料理としてのおでんで面白いのは「静岡おでん」です。主役は静岡県の郷土食材である「黒はんぺん」。これはアジやサバ、イワシなどの青魚をすりつぶしてできた、灰色をした練り物です。
 静岡おでんのもう一つの特徴は、おでん種がすべて串に刺してあり、だし汁は牛筋がベースの黒い汁です。食べるときにはイワシやカツオの削り節と青のりをかけます。おでん種がすべて串に刺さっているところは、おでんのルーツである「焼き田楽」に由来しているのかもしれませんね。

 私の好物のおでん種はやはり「大根」。しっかり出汁が滲みた大根にとろろ昆布をかけて食べると、とってもおいしいです。

 あなたの好みのおでん種は何ですか?

秋鮭の話

2017年10月03日(火)


 秋の味覚を代表する魚に「鮭」があります。特にこの時期にとれる鮭は、『秋鮭』『秋味』などと呼ばれ珍重されています。秋の鮭は、海でたくさん栄養をとって大きく成長し、産卵のため生まれた川に戻ってくるので、良く脂がのってとても美味しいことで有名です。鮭といえば北海道の特産物というイメージがありますが、新潟県の村上市など日本海側でも有名な産地があります。

 鮭は大変古くから日本料理の食材として重宝されてきました。平安時代に越前の国(福井県)からの税金の一つとして、鮭が朝廷に献納されたという記録も残っています。昔から代表的な料理は「塩鮭」です。日持ちを良くするため、内臓を取った鮭に塩をしっかり擦り込みます。それを荒縄で巻いた「新巻鮭(あらまきじゃけ)」は、お歳暮の定番商品でした。近年ではもう見られなくなってしまいましたね。

 ところで、鮭は白身魚だというのをご存知ですか?鮭は「鱒(ます)」と同じ仲間です。鱒というと「ニジマス」のように、川に生息する白身の魚ですが、鮭は海で成長する際にオキアミや小エビなど、赤い色のエサを食べて育つため、身が赤くなります。鮭の身がカツオやマグロなどの赤身魚と違い、独特なピンク色をしているのはそのためです。英語で言うと「サーモン(鮭)」と「トラウト(鱒)」と全然違う魚のようですが、実は生物学的に分類できないくらい、同じ仲間だそうです。

 この時期のおいしい食べ方は、やはり軽く塩をした切り身を炭火でじっくり焼く「塩鮭」ですね。少し焦げ目がつくくらい焼いた皮はパリッとこうばしく、身はふっくらとしてうま味がたっぷりあります。そのままご飯のおかずにしてもよいですが、この時期だと身をほぐして炊き立ての新米お握りの具にしてもとても美味しくいただけます。少し塩が強めなら、冷ご飯にのせて鮭茶漬けにしても抜群に美味しいと思います。鮭は皮と身の間に美味しい成分がたくさんあるので、皮も残さず食べることをお勧めします。

 あなたは塩鮭派、おにぎり派、それともお茶漬け派ですか?

秋刀魚(さんま)の話

2017年09月01日(金)


 残暑が続いていますが、気がつけばいつのまにか日が暮れるのが早くなっています。朝晩には虫の声も聞こえてきます。確実に秋の気配が感じられてくる今日この頃です。

 秋はいろいろな食材が美味しくなってきます。まさに「食欲の秋」ですね。数ある旬の食材の中でも、秋の味覚を代表する食べ物といえば、やはり「秋刀魚」ではないでしょうか。

 秋刀魚は南の海で生まれ、夏に北上して北海道沖でたっぷり餌を食べて成長します。そして、秋には産卵のため東北沖から関東沖を南下する回遊魚です。少し前までは、毎年大漁続きで1匹100円もしませんでしたが、地球温暖化で回遊ルートが日本からはなれつつあり、近年では漁獲量がとても減少して高級魚になりつつあります。

 秋刀魚は、お刺身や煮物、炊き込みご飯など、いろいろと調理方法がありますが、やはり代表的な料理は「秋刀魚の塩焼き」ですね。表面が焦げるくらいしっかり焼いた秋刀魚に、酢橘などを絞って大根おろしとともに食べると、口の中に秋の香りが広がります。秋刀魚の塩焼きをおかずに、夏の名残の茄子やミョウガのみそ汁と、新米のご飯をいただくとき、「日本人でよかった・・」と思わずつぶやいてしまいたくなるほどです。もちろん、この時期ならではの「秋刀魚の握り鮨」も捨てがたい逸品ですね。

 これからお店に秋刀魚が出回ります。美味しい秋刀魚の見分け方を教えましょう。秋刀魚を選ぶときは、以下のようなところを良く見てください。
 ① 尾をもって立てたとき、できるだけ曲がらずにまっすぐ立つ
 ② 目が濁っていない
 ③ くちばしの先がやや黄色い
 ④ 顔がやや小さく見える

 最近、スーパーなどではパックで売られることが多いので、手で持って立てることはなかなかできませんが、特に「目の濁り」と「くちばしの色」は鮮度を見極めるために大切です。これならパックがしてあっても確認できるので、ぜひ試してみてください!

かき氷

2017年08月12日(土)


 毎日暑い日が続きますね。皆様お元気で夏休みを楽しまれていますか?
 夏といえばやはり「かき氷」ですね。この夏もう食べましたか?

 かき氷は日本では古くから楽しまれている食べ物です。平安時代に清少納言が書いた「枕草子」の中にも登場します。冷蔵庫の無い当時は、夏に「氷」を食べるというのはとても特別なことで、貴族など特権階級の人しか口にできませんでした。「枕草子」には、『金属製の器に氷を刃物で削った削り氷(けずりひ、文中では「けつりひ」)に蔓草の一種である甘葛(あまかづら・あまづら、蔦の樹液または甘茶蔓の茎の汁)をかけた』と記載されています。

 かき氷が一般庶民に食べられるようになったのは、明治時代からです。まず初めに、横浜の馬車道通りに「氷水店」ができました(このお店は、日本のアイスクリーム販売第1号としても有名です)。当時は、鰹節削り器で氷を削っていたそうです。種類も少なく、かき氷にお砂糖をかけた「雪」、砂糖蜜をかけた「みぞれ」、小豆あんを乗せた「金時」が定番メニューだったようです。

 最近では海外のかき氷も日本で食べられるようになり、いろいろな種類がありますね。私のおすすめかき氷は、大阪府堺市にある「かん袋」というお店の『氷くるみ餅』です(写真を見てください)。このお店は、鎌倉時代からある和菓子屋さんで、もとは「和泉屋」というお店でしたが、安土桃山時代に豊臣秀吉から現在の「かん袋」という名前をもらったという、由緒あるお店です。本来は「くるみ餅」という茶菓子が有名でしたが、このお店も明治以降にこの「くるみ餅」にかき氷を乗せた「氷くるみ餅」を考案しました。ふんわりとした氷の下に、甘くておいしいくるみ餅が隠れています。もし堺市付近に行く機会があれば、ぜひ一度食べてください。
※「かん袋」のHPはコチラから

 夏には欠かせないスイーツの「かき氷」。でも食べ過ぎてお腹をこわさないよう、ご注意を!

http://tomoshibit.exblog.jp/9700371/ より引用

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