2016年 能登半島の旅

東京すし和食調理専門学校 研修旅行 ~能登半島の旅~ 2016年8月23日~25日

2016年夏に実施された
東京すし和食調理専門学校、初の研修旅行。
石川県の能登半島(珠洲市・輪島市)での、
さまざまな体験をレポートします!

1日目
酒蔵見学~
揚げ浜式製塩体験

  1. 大徳寺通りにある「大徳寺 能登半島の有名なお酒・竹葉を製造している「数馬酒蔵」を見学

    能登半島の有名なお酒・竹葉を製造している「数馬酒蔵」を見学!
    ここでは、世界最大規模のお酒コンテスト「インターナショナルワインチャレンジ」の2015年SAKE部門で銀賞を獲得した、世界に認められた日本酒が造られています。

  2. 初めての酒蔵見学でみんな興味深々

    当日は、社長の数馬嘉一郎さん自らご案内くださいました。数馬酒蔵の理念には「心和らぐ清酒(さけ)造り・心華やぐ会社(いえ)作り・豊かな能登(まち)創り」という言葉があり、「お酒を飲む方」、「従業員・見学者」、「能登」のことを考え、この酒蔵を経営されています。
    学生たちはみんな初めての酒蔵見学で興味深々! 日本料理には欠かせない日本酒の話ということもあり、メモをしっかり取りながら、酒蔵内をじっくり見回っていました。

  3. そして…皆さんお待ちかねの「試飲会」が始まりました!

    酒蔵の隣にある販売店舗に移動。
    そして…皆さんお待ちかねの「試飲会」が始まりました! 試飲した学生はすぐには飲み込まず、口の中に広がる香りを楽しんでいました。
    本当に美味しかったです…!
    ※未成年の学生は香りだけ。残念!!

  4. 午後からは仁江海岸へ移動し、「揚げ浜式製塩」を体験

    午後からは仁江海岸へ移動し、
    「揚げ浜式製塩」を体験。揚げ浜式製塩とは、江戸時代から続く伝統的な塩作りで、今は日本でこの場所でしか作ることができません。

    • ~第一工程~

      海水を汲み、引桶に溜めていきます。
      文字にすると簡単に思えるのですが、1度に運ぶ海水の重量は60㎏を超えます。
      これを何度も往復をして、海水を溜めている作業は超重労働です。

      ~第一工程~
    • ~第二工程~

      事前に駒堞(こまざらえ)で塩田をならし、溜めた海水を撒いていきます。撒き方にはやり方があり、弧を描くように霧状に撒かなければなりません。
      この作業はみんな楽しそうでしたね!
      でも、先生に向けて水を撒いてはいけません(笑)。

      ~第二工程~
    • ~第三工程~

      海水が撒かれた砂を集めて、たれ船(四角い木桶)に入れ、そこに海水を注いでいきます。この作業をすることで、砂に付着した塩も海水と一緒に下へ流れていき、濃度の高い塩水が出来上がります。
      抽出された高濃度の塩水を荒焚きと本焚き合わせて1日以上焚き続けます。

      ~第三工程~
  5. 炎天下での作業に最後はみんなヘトヘトになってしまいましたが、めったにできない貴重な体験は、
    一生忘れられない思い出になったでしょう。お疲れさまでした!

  6. 夜は輪島大祭に行きました

    夜は輪島大祭へ。このお祭りは4つの神社が同時期に開催する輪島一のお祭りです。
    ちょうどこの日は、豪華なキリコが勢揃いする日で、幻想的でもあり活気がありました。
    輪島一のお祭り

2日目
白米千枚田~輪塗~農業体験

  1. 最初に訪れたのは、白米千枚田です

    2日目は輪島市に出発。
    そして最初に訪れたのは、白米千枚田です。
    ここは「世界農業遺産」に認定されているので、この景色を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。この棚田は、地滑りによる被害を避けるために斜面を何段にも分けた結果、この独特な形状となったそうです。高低差が約56mもある白米千枚田では、「苗代田」という日本古来の農法で稲作が行なわれています。ちなみに、ここでは「能登ひかり」と「こしひかり」が作られています。。

  2. 石川県輪島漆芸美術館

    記念撮影を終え、「輪島塗を知る旅」に向かいました。世界で唯一の漆芸専門美術館である石川県輪島漆芸美術館では、しっかりと伝統を守って制作された漆器の美しさに、みんな目を輝かせていました。

  3. 伝統工芸士 梶原泰庸さん

    続いて、伝統工芸士 梶原泰庸さんの工房を見学。輪島塗の制作工程を教えていただきました。
    普段は完成品しか目にすることがない輪島塗。完成するまでに実に124にも及ぶ工程が必要だとのこと!
    機械を使わず、自らの手で作る職人さんの話はとても熱意がこもっていて、みんなも真剣に話に耳を傾けていました。
    梶原泰庸さんの工房

  4. 農業指導もしてくれた足袋抜豪さん

    2日目の最後は、地元農家での農業体験にチャレンジ!
    私たちを出迎えてくれたのは、一面の稲穂。空気もとてもきれいで、稲穂が楽しく踊っているように見えました。お米だけではなく、さまざまな種類の野菜が作られています。野菜の色が非常に濃く、とっても美味しそう! 色鮮やかな野菜を見ていると、植え付け作業が始まりました。

  5. これもまた写真では伝わりにくいのですが、とっても大変なんです!日差しが降り注ぐ中、このように低い姿勢で少しずつ横へ移動し、植え付けをしていきます。この大変さ、少しは伝わりましたでしょうか?

    低い姿勢で少しずつ横へ移動し、植え付けをしていきます

    植え付けが終わると、次は収穫作業。
    苦労しながらも新鮮な野菜をたくさん収穫することができ、みんな満足顔でした!
    新鮮な野菜をたくさん収穫

3日目
魚市場~珠洲焼館

  1. 輪島港にある魚市場

    最終日は、朝イチから輪島港にある魚市場へ。
    ここでは、お魚マイスターの前野美弥次さんにご案内いただきました。たくさんの人が行き交い、とても活気がありました!
    今朝水揚げされたばかりの新鮮な魚がズラリと並ぶ市場。学生たちは、こんなに大量の魚を生で見たことはないんじゃないでしょうか。
    (お魚クイズでもやれば良かったなぁ…)

  2. セリ風景

    市場内を見学していると、大きな声が聞こえてきました。セリが始まったのです!
    鮮度を落とさないために、短時間で勝負が決まるセリは迫力満点!
    買い手が決まった魚は、すぐに運ばれていくので、たくさんあった魚は瞬く間に無くなっていきました。

  3. 前野さんが漁港を案内

    セリが終わると、前野さんが漁港を案内くださり、漁船に積んでいるものや、魚を獲るための仕掛けを見せていただきました。漁船を見たことのない学生たちはとても興味深かったようです。

  4. 大型漁船の水揚げ時に、大量の魚を回収してくれる装置

    遊園地のアトラクション乗車口のように見えますが、これは大型漁船の水揚げ時に、大量の魚を回収してくれる装置です。
    しかも、魚の種類によって振り分けることができる優れもの!

  5. 前野さんの包丁捌き

    セリに出された新鮮な魚を使い、海鮮丼つくりにも挑戦!
    “漁師流”のカワハギの薄皮剥ぎを教えてもらいました。前野さんの包丁捌きは素晴らしかったです!
    新鮮な魚はやっぱり美味しい!!
    味が濃く、身もプリプリで食べ応えもバッチリ!
    カワハギの肝を入れたお味噌汁も最高に美味しかったです。
    カワハギの薄皮剥ぎ

  6. 珠洲師蛸島町にある「珠洲焼館」

    この研修旅行の最後に訪れたのは、珠洲師蛸島町にある「珠洲焼館」。珠洲焼の歴史はとても古く、平安時代から作られていたとされています。釉薬を使わずに数日間焼き上げるので、表面に凹凸が残るのが特徴です。この凹凸により、ビールを注ぐと綺麗な泡立ちになったり、高温で焼き上げるので、注いだ水を浄化する効果があり、花を生けると長持ちするという効果もあります。

最後に

世界に誇る日本酒「竹葉」を製造している、数馬酒造さんの酒蔵見学から始まり、昔ながらの製法「揚げ浜式製塩」の体験。輪島大祭に集結した、幻想的で迫力満点の「キリコ」。世界農業遺産の「白米千枚田」。日本を代表する漆器「輪島塗」。食べる大変さ、大切さを改めて感じた「農業体験」。朝早くから活気に溢れている「輪島港魚市場」。平安時代から作られている「珠洲焼」。そして、地元の食材を使った美味しい料理。
振り返ると、非常に濃い3日間を過ごしましたね。帰りはみんなヘトヘトでしたが、目の輝きがこの研修旅行の充実感を物語っていました!! 3日間、お疲れ様でした!!!!

研修旅行 集合写真